フレイルとは、日本語に訳すと「虚弱」という意味で、健康状態と要介護状態の中間の状態を意味する言葉です。
これは2014年に、日本老年医学会が提唱したものになります。
フレイルは、何か1つのことが要因で起こるのではなく、身体機能の低下や精神・認知機能の低下、社会参加頻度の低下など複数の要因が絡み合うことで生じます。
判断基準は、『体重の減少』『疲れやすさ』『歩行速度の低下』『握力の低下』『身体活動量の低下』の5項目です。
このうち3つ当てはまるとフレイルであり、1~2つだとフレイルの前段階であるプレ・フレイルと呼ばれる状態になります。
ただ、フレイルは適切に対策すれば予防可能な存在なのです。
フレイル予防は、フレイルが複数の要因で生じるからこそ、複合的に行う必要があります。
フレイル予防の指標となる、基本的なテーマは「生活習慣を整え、運動機能や認知機能の低下を防ぎ、社会との関わりを絶やさないこと」です。
具体的な対策は、身体面、精神・認知面、社会面の3つに分けられます。
身体面の対策としては、栄養バランスのよい食事をしっかり摂りつつ日常的に運動をして、寝たきりの原因になりやすい持病を医師と相談しながらコントロールすることです。
精神・認知面の対策としては、人と関わる時間を意識的に持つことが有効であるとされています。
社会面の対策としては、地域ボランティアへの参加や趣味サークルなどへの参加が効果的です。
身体面、精神・認知面、社会面の対策を複合的に行うことで、フレイルを予防でき、平均寿命だけでなく健康寿命も延ばすことができるのです。